戦国遊戯
「本当か!?」

その声に、玲子はふっと、慶次の方をみた。慶次は笑顔で、玲子のもとに走りよりぎゅっと抱きしめた。

「喜べ!あのくの一、目を覚ましたぞ!」

抱きしめられた驚きなど、一瞬で消し飛んでしまうような言葉だった。

「ほんと!?」

玲子は目を大きく見開いて、慶次の方を見た。

「ああ、先ほど、まつから連絡があったのだ」

利がくすくすと笑いながら、慶次の肩をぽんぽんと叩いた。慶次は少し、恥ずかしそうにはにかみながら、玲子を抱き締めていた腕をほどいた。

「よかったな」

政宗が頭をぽんっと撫でた。玲子はほっとした表情で頷いた。

信玄に状況を説明すると、信玄と佐助は、利に頭を深く下げ、お礼をいっていた。利は少し驚きながら、かまいません、と笑っていた。



こんな風に、みんなが平和に、穏やかに過ごすこともできるんだ。


血生臭いイメージのあった戦国時代が、少しだけ、私の中で変わった。
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