戦国遊戯
「かまわん」

政宗の言葉に玲子は何も言わず、ただ、黙って頭を下げた。

「あの男に飽きたら、いつでも俺の所へこい」

政宗の言葉は、とても優しかった。玲子は、笑いながら答えた。ありがとう、と。


きづけば空にはうっすらと青白い色が浮かび出していた。

「夜明け、か」

政宗が名残惜しそうに呟いた。玲子の手を、そっと握り、小さくため息を漏らした。

「皆が待ってるよ」

そう言って、玲子は政宗手を両手で握り、部屋へと引っ張っていった。


部屋へ戻ると、佐助が涙目で、玲子を迎えてきた。

「どこほっつき歩いてたんだよ!」

その言葉に、玲子はまさかと呟いた。

「若が目ぇ覚ましたんだ、ついさっき!」

「ゆっきー!」

玲子はばっと、幸村のもとへとかけて行った。

部屋には慶次達も戻ってきていた。政宗が、小さくため息をつくと、慶次は何も言わず、政宗の肩をがしっとだいて、酒を渡した。
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