戦国遊戯
森の中に光りが差し込んでくる。


夜が明けた。


ぼーっとしていると、携帯から聞き覚えのない着信音が鳴り出した。取り出して電話に出る。

「もしもし?」

そのとき、だった。

「玲子!」

「え?」

まさかと思った。
そんなはずはない、と。

歩けるようになったとはいえ、まだ完全に回復したわけではないのだ。

が、声のした方を見ると、その、まさかだった。
幸村の姿があった。

幸村が駆け寄り、手を伸ばしてくる。思わず玲子も立ち上がり、手を伸ばした。

そのとき。

辺りが眩く光った。

玲子も、幸村も。
視界が真っ白になった。





「行くなぁぁぁぁ!!!!」





幸村の叫び声が、あたりにこだました。
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