戦国遊戯
***** 幸村's View *****

起きたとき、玲子の姿がなかった。
それだけなのに、不安でいっぱいになった。

すぐに飛び起きて、着替えて玲子の部屋を見に行くと、玲子の服はなくなっていて、着物が綺麗にたたまれていた。そして、そこには1通の手紙が置かれていた。

手紙を握り締め、外へと飛び出すと、はやぶさがなぜか門の外から帰ってくるのが見えた。

読まなくてもわかった。
玲子が元の世界へと帰るつもりなのだと。

急いではやぶさの側へ駆け寄り、乗ると、はやぶさを玲子の下へと急がせた。
なんとなく、場所の検討は着いていた。
玲子と初めて出会った、あの森だ。

案の定、玲子はそこに居た。
はやぶさからおり、痛む体を必死でこらえながら、玲子の名前を呼び、玲子の側へと駆け寄った。



間に合った。



そう思ったのもつかの間、眩い閃光と共に、玲子の姿はなくなっていた。
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