戦国遊戯
「お姉ちゃんをいじめないで！」

女の子が、幸村の足にしがみついてきた。

「お姉ちゃんは、さよを助けてくれたの！お姉ちゃんをいじめないで！」

幸村は、さよと私を交互にみた。そして、そのあたりに伸びている男たちをみた。幸村は、私の肩から手を離し、すっと、女の子の前に座り、やさしく聞いた。

「何が、あったんだい？」

「あのね、さよ、お使いに行ってたの」

さよが、ことの次第を幸村に伝えた。泣きそうな顔をしながら、一生懸命、お姉ちゃんは悪くない、と、伝えてくれた。

「そうか。わかった。教えてくれてありがとう」

そう言うと、幸村は私の方を見た。

「で、玲子は。この子を助けて、そのあと、こいつに何をしようとしたんだ？」

「え？いや、私お金持ってないし。この子のお団子がだめになっちゃったから、その分、弁償するように、お金を出させようと思って」

「･･････････」

「黙らないでよ。本当は、勝手にお財布から抜き取ってやろうかと思ったけど、いくら、こいつらが悪いっていっても、それやっちゃったら泥棒でしょ？だから、起こして、お金を払うように言ってたの」

はぁ、と息をつくと、幸村はあきれたような顔をする。

「それで、本当に、玲子が1人で全員倒したのか？」

「あー、うん。なんか倒せた」

「なんかって･･･」

「いや、弱かったんだって、こいつら」

あはは、と苦笑いをすると、幸村は、また、あきれたようにこっちを見てきた。
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