戦国遊戯
家に戻ると、玲子を部屋まで連れて行き、布団に寝かしつけた。

「う…ん……」

さらりと玲子の髪が一房、肩から滑り落ちた。ほんの少し見える玲子のうなじが、妙に色っぽく見え、幸村はまた、ドキッとした。

「どうしたというのだ、俺は…」

ふぅ、と息をつくと、玲子に布団をかけてやり、自分の部屋に戻った。


「ゆめ・・・」


帰り道に玲子の言っていたことを思い出してみる。


玲子によると。


夢を見ているらしい。今起こっていることは夢だと。
目が覚めると、俺や、お館様はいなくて、まったく別の生活が待っているらしい。


どういうことだ?
玲子は確かに、変わっていた。

服装や、持ち物、言動。

だが、夢だという。
俺の存在も、お館様の存在も。


考えてもまったくわからない。
ただ、眠れない夜が過ぎていく。


その日は、まったく。
眠ることができなかった。
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