戦国遊戯
***** 玲子's View *****

・・・気持ちが悪い。
・・・・・・頭が痛い。


目が覚めると、見覚えのない天井があった。

・・・どこよ、ここ。

体を起こすと、頭がずきずきした。
だめ、吐きそう。

気合で何とか、はかないようにだけ、踏ん張る。


はぁ、とため息をついたとき、自分の息が酒臭いのに気づいた。
そして、布団の中にいたのにも気づいた。


どうやって、布団に入ったんだろ。
なにより、ここ、どこよ。


布団から出て、襖を開けた。少し足元がふらふらする。
部屋から出て、廊下を進むと、中庭に井戸があるのが見えた。そして、その横には、幸村の姿があった。


―――――うそ。


まだ、目が覚めていない。
少しずつ思い出してきた。

昨日、信玄の家で、夕食をご馳走になった。そのときに、お酒を飲んだ。

・・・しんちゃんだの、ゆっきーだのと言った気がする。
やっばぃ・・・


そう思っていると、幸村がこっちに気づいて、声をかけてきた。

「あぁ、玲子。おはよう。もう、大丈夫か?」

「あ、おはよう。・・・うん。大丈夫」

心ここにあらずといった風な返答になった。
昨日、失礼なことを言った。どうしようかと思っていたが、それよりなにより、私は、眠り、また、起きた。・・・そう、目が覚めた。

一瞬にして、顔が青ざめた。

夢だと思っていた。
なのに、夢の中で眠って、起きて。




そんなこと、あるのだろうか。
不安がよぎった。
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