戦国遊戯
自分を悲観したところで、どうすることもできないのはわかっていた。
なので、気持ちを切り替えて、まずは、手がかりを探そうと、外へ出ることにした。

「･･･誰に言えばいいんだろ」

部屋を出て、きょろきょろと、人がいないかを見ていたが、誰もいなかった。

「もー。何でこういうときに限って、人がいないのよ！すいませーん！」

誰でもいいからと声をかけながら家の中をうろうろしていたら、玄関へと到着した。

「あ、ついちゃった」

しょうがない、と靴を履いて、外へ出ようとしたときだった。


「どちらへ？」

後ろから声がした。びっくりして変な声が出た。
振り返ると、そこには、さくらの姿があった。

「あぁ･･･ちょっと、散歩に行こうと思って」

「そうですか。では、気をつけて」

そう言われて、はい。とだけ言って、家を出た。


急に出てきたら、びっくりすんじゃん。もー･･･


まだ、ばくばくとなる心臓をなでおろしながら、門を出た。
< 49 / 347 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop