戦国遊戯
「まぁ、詮索なんて野暮な真似はやめとくぜ」

返事に困っていると、慶次はニカッと笑って言った。


…案外、イイ人じゃん。


「あはは、うまく説明できなくて。そう言ってもらえると、気が楽になる」

「まぁ、興味はあるけどな。誰だって言えないことの1つや2つ、あるもんだ。なんにせよ、暗くなる前に、探した方がいい」

そう言って、近くの木にもたれかかり、じっと、私の方をみていた。


さて。来てはみたものの、ここにはたして、手がかりなんてあるんだろうか。

うーん、と唸る。
探しているのが、あるかもしれない、で、ないかもしれなくて、帰るための手がかりという、なにかもわからないものだ。

気づいた時のとこを必死で思い出す。この辺りに立っていて…山を降りた。


それだけしかしてないし、お告げ的な何かだって聞いてない。

まぁ、第一。おつげだのなんだのってものがあっても、信じなかっただろうけどさ。

深いため息が出た。
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