戦国遊戯
とにかく、ここで何かをしなくちゃならないとすれば、きっと、今からなにか大きな事が起こるはず。

そう思って、慶次に聞いてみた。

「慶次さん。あの、教えて欲しいんですけど」

「ん、なんだ?」

「…これまでに、大きな戦ってあった?」

「戦?」

「うん、戦」

これから戦がありますか?なんて聞いたらおかしいと思われる。そう思って、最近の出来事から、今がどの辺りかを特定しようと思った。

「そうだなぁ、大きいっていやぁ、武田の旦那と謙信公の戦が、少し前にもあったな。まぁ、こいつはいつものこったけどよ」

「いつも?」

「ああ。挨拶みたいなもんだ。元気かーってな」

「い、戦が?」

「あぁ。あの2人は敵同士で、手を組むなんてことはないが、お互いを尊重しあって戦をする。どこかの独裁者とは違う」

ふっと、慶次の顔が険しくなった。

「その、2人の戦って、よくやってるの?」

「ああ。何年か前から、時々、川中島でやりあってるぜ」

「川中島!?」

「あぁ。俺も時々見物に行ってる」

戦見物って、どんだけこの人変わってんだ!?呆れるやら、感心するやらで、はぁ、と息を漏らした。
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