戦国遊戯
***** 幸村's View *****

昨日、玲子と同じくらい、いや、それ以上に飲んでいたはずの信玄は、玲子と違って、いつも通りだった。

今朝は軍議があり、川中島へ向かう、という内容の話だった。

会議が終わり、信玄のところへ行った。

「お館様、幸村、参上いたしました」

膝をついて頭をさげた。信玄は人払いをして、幸村を側へと呼ぶ。

「ゆっきー」

信玄に呼ばれて体が固まった。信玄は笑う。

「昨日は戻ったのちはいかがだった」

にやにやと悪い顔で笑う。


勘弁してくれ…



「なにも。帰ってさくらに寝床へ連れていかせました」

「なに?つまらんやつだのぅ」

心底つまらなそうに言う。

「まさか、それだけのことで?」

眉をひそめて聞く。まさか、と、信玄は笑った。
< 65 / 347 >

この作品をシェア

pagetop