戦国遊戯
馬を走らせ、どのくらいたっただろうか。一向に玲子の姿は見当たらなかった。


一体、どこに――――


一度、馬から降りて辺りを探してみる。印のついた木があった。

方向は間違えていないようだが。

玲子の姿が見えない。
無事だといいのだが…

そのとき、ふと、玲子の言葉を思い出した。


俺も、お館様もいない。
目が覚めると…

本当に、そうなのか?玲子は、本当はいないのか?


そんなはずはない。今朝だって、一緒に食事をした。俺だけじゃない、お館様も、佐助も、さくらも。

玲子を知っている。




どこにいるんだ。




「れいこーー!!!!」



力一杯叫んだ。
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