戦国遊戯
ふと、テレビの隅っこに移っている時計を見ると、時間が20時少し前になっていた。

「やっば、待ち合わせに遅れる」

あわててテレビを消して、部屋へと戻った。パソコンを立ち上げて、ネットにつなぐ。お気に入りから、ワールドヒストリを選択して、ログイン画面を出した。画面中央に出ている、Enterをクリックし、IDとPWを入力し、ヘッドホンを身に着けた。


ここまでは、いつもと変わらない画面だった。


いつもは、今回、自分がなりたい人物や、ストーリーの選択といった、簡単な画面が現れる。
しかし、今回の画面は少し違っていた。


【歴史は、好きですか?】


なにこれ。今までこんな画面、でてきたことなかったけど。


眉をひそめて、画面をじっと見つめる。
そして、希美が言った言葉を思い出し、失踪者のことを思い出す。


・・・まさか。


ないない、と笑ってはみたものの、心のどこかで、『まさか』と思う自分がいて、ログインするのが怖くて、パソコンをそのまま閉じてしまった。

「もー。一体なによ、あれ。ジョーダンきついって」

そう呟くと、玲子は小さくため息をついた。
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