戦国遊戯
声のした方から、黒い影のようなものが近づいてきた。


「うわあぁ!」


でた、お化けだ!

あわてて慶次の後ろに隠れた。

が、
すぐに、その影の正体がわかった。
連絡をとらなくてはと思っていた、幸村本人だ。

馬が、慶次の前でとまった。その後ろに隠れていた私の姿を確認すると、幸村はほっとした顔をする。

「玲子、無事か!?」

聞かれて頷いた。


心配してくれてたのに、おばけと思ってごめんね。


そう、心の中で呟いた。

「・・・ところで、こちらは」

ちらっと慶次を見た。

「あぁ、こちらは慶次さん」

「慶次・・・?」

「うん。ちょっとした縁で、ここまで付き合ってくれて」

「何をしていたんだ?」

「・・・ちょっと探し物?」

「そうか・・・」


そう言うと、幸村は少し複雑そうな表情を浮かべていた。
< 71 / 347 >

この作品をシェア

pagetop