戦国遊戯
***** 玲子's View *****

幸村の後について、信玄のいる部屋の中へと入った。手には汗が浮かんでいた。

「・・・失礼します」

信玄と向かい合う形で座った。頭を上げる。信玄はにっこりと笑っていた。

「さて。幸村から話は聞いたと思うが」

「・・・はい」

「・・・して、返事はいかがかな」

ごくっとつばを飲み込んだ。緊張する。


遊びではないんだぞ!?


幸村の言葉が重くのしかかってきた。わかっている。自分がこれからしようとしていることは、人殺しに協力することだ、と。

「はい、喜んで、お受けさせていただきます」

「おぉ!そうかそうか!」

信玄は上機嫌で笑った。うんうん、とうなづいて、こっちを見ている。



もう、後戻りはできない。


腹をくくった。
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