戦国遊戯
＊＊＊＊＊ 玲子's View ＊＊＊＊＊

これで、本当によかったんだろうか。
本当は、黙っていたほうがよかったのかもしれない。

でも、正直、信じてもらえるとは思ってなかった。
私だって、急にそんなこと言われたら、信じたかどうか。
…いや、多分、信じられなかったかもしれない。
それなのに、幸村は信じてくれた。

とくん。

胸がなった気がした。


幸村の表情は、なぜか、安堵したような、そんな顔だった。
優しい、笑顔。


言って、よかったかもしれない。
幸村の顔を見て、そう思った。

幸村は、信じてくれた。自分のことを。


何もわからない、誰も知らないこの世界で、私のことを知っている人がいる。それだけで、私も安心できた気がした。


とくん。

また、胸がなったような気がした。
< 89 / 347 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop