戦国遊戯
啄木鳥
ぼーっと辺りを見ていた。小さく綺麗な月の光が、辺りを淡く、照らしていた。
周りが慌ただしく準備をしているのに、何故か他人事のように感じた。
…ほんとに、始まるんだ…
カチャカチャと金属音が辺りに響いていた。
非現実的なこの事態が、いまだに受け入れていない。どこかで、夢じゃないかと思っている自分がいた。
「いよいよ、出陣の時じゃ!」
信玄の声が、辺りに響いた。
緊張とぴりぴりとした空気が、辺りを包んだ。
信玄が、次々と指示を出していく。その雰囲気に、思わず萎縮してしまう。
「玲子!」
「は、はい!」
呼ばれて思わず、声が裏返った。
「お主には、本隊にて、別動隊の動きを悟られぬよう、暴れてもらう」
「はい」
予想通り、今回の川中島での合戦は、私が歴史で勉強したやつで間違いない。本隊をオトリにつかって、別動隊が叩く。幸村は、別動隊で動くので、気づかれないよう、その手助けをする。
「最前線にでてもらう。派手に暴れてきておくれ」
にまっと信玄が笑う。私は緊張した面持ちで頷いた。
周りが慌ただしく準備をしているのに、何故か他人事のように感じた。
…ほんとに、始まるんだ…
カチャカチャと金属音が辺りに響いていた。
非現実的なこの事態が、いまだに受け入れていない。どこかで、夢じゃないかと思っている自分がいた。
「いよいよ、出陣の時じゃ!」
信玄の声が、辺りに響いた。
緊張とぴりぴりとした空気が、辺りを包んだ。
信玄が、次々と指示を出していく。その雰囲気に、思わず萎縮してしまう。
「玲子!」
「は、はい!」
呼ばれて思わず、声が裏返った。
「お主には、本隊にて、別動隊の動きを悟られぬよう、暴れてもらう」
「はい」
予想通り、今回の川中島での合戦は、私が歴史で勉強したやつで間違いない。本隊をオトリにつかって、別動隊が叩く。幸村は、別動隊で動くので、気づかれないよう、その手助けをする。
「最前線にでてもらう。派手に暴れてきておくれ」
にまっと信玄が笑う。私は緊張した面持ちで頷いた。