誰かが言った、狂ってるって。
それからの時間は全て彼に費やした。
寝ても起きても考えるのは彼のことだけ。
親や友達のことなんて考えるゆとりはなかった。
親に話しかけられても上の空。
食欲もなかった。
食べなくても空腹を感じなかった。
食卓につく時間があるなら、その日買ってきた彼の載ってる音楽雑誌を眺めていたいと思ってた。
いつも読んでた少女マンガも読まなくなった。
内容が幼稚に見えるようになっていた。
とにかく早く大人になりたかった。
彼に釣り合うように。
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