誰かが言った、狂ってるって。
鏡の前で自分の体を見る度に、小さな胸やくびれのないウエストがくやしくて仕方なかった。
髪も伸ばし始めた。
彼より長い髪にならなければ、女として認めてもらえないような気がしたから。
寝て覚めたら髪が背中まで伸びていますように。
毎晩そう祈りながら寝た。
少女マンガはファッション雑誌に持ち替えた。
彼に釣り合うように少しでも大人っぽくなりたかった。
今まで着ていた服はほとんど捨ててしまった。
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