【短編集】現代版おとぎ話
赤ずきんちゃん
「はぁい、おかゆ出来たよぉ。」
私はにこにことしながら愛する愛するマイダーリンの部屋に入った。
ダーリンたらね、風邪引いちゃったの。
バカは風邪引かないっていうんだから、ダーリンはやっぱり頭良いのね。
え?今8月って?
夏風邪はバカが引くって?
やっだぁ、ダーリンが風邪引いた時点で、今は夏じゃないのよぉ。
「私食べさせてあげるねぇ。」
って良いながら、ダーリンの口におかゆを運ぶ。
「おいしいよ」って微笑みが、私最高に幸せっ!
「ねぇ、なんでダーリンの腕はそんなに大きいの?」
「君を思いきり抱きしめるためだよ。」
「ねぇ、なんでダーリンの足はそんなに大きいの?」
「すぐに君の所に行くためだよ。」
「ねぇ、なんでダーリンはそんな耳をしているの?」
「君の声をきちんと聞くためさ。」
「ねぇ、なんでダーリンはそんな大きな目をしているの?」
「君を瞳に移すためだよ。」
「ねぇ、なんでダーリンは大きな口をしているの?」
「君のおかゆを食べるためだよ。」
あら、最後だけ期待はずれ。
キスするため、って言って欲しかったのになぁ。
ま、いっか。私ダーリン大好きだもんッ。
・・・え?
耳と口?あぁ、いいのいいの。
普通なんだけど、ま、その辺は臨機応変。おとぎ話通りに・・・ね?