世界の灰色の部分
ケンくんと知り合ったのは、わたしがキャバクラに勤めるよりも前に働いた、ファミレスだった。
わたしは初めてのバイトということと、もともとこんなふうに他人に対して愛想がない性格というせいで、しょっちゅうミスをしたり、客に文句を言われたりしていた。さらにその店の店長ともソリがあわなく、毎日が苦しかった。
そんな中で唯一優しくしてくれたのが、わたしより少し先にそこで働いていたケンくんだった。
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