∞君とラムネと∞
酌量の予知ありと、ミノルは意外にも早々と出所した。

男はその後、またどこかで放火して今も牢の中だと金物屋がいつか言っていた。


前科を抱えたミノルを
毛嫌いした人も少なくなかった。
ありもしない噂は巷を流れ、帰る家の無いミノルはこの商店街の人のつてと父の遺産を使い
このアパートに暮らす事になった。

出所以来、人が変わったように一言も言葉を発さなかったミノルは
「ここにするわ」
と呟く。

商店街に一番近いアパート。


皆が彼を受け入れようと奮起した。
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