オレンジ 〔実話〕
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from:悠一
退くわけないだろ?
ばか‥
ありがとう
それじゃあ‥話すな?
俺のこと
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悠一は自分のことをゆっくり話してくれた。
つらいのに話してくれた。
泣いた。
自分のことのように泣きじゃくった。
お風呂上がりでまだ乾かしてない濡れた髪が、自分の涙と混ざりあって肌に吸い付く‥
その夜は、声を押し殺して寝た‥
初めて他の人のために流した涙。
自分が成長してることに、少しずつ気がつく。