あのこあいつあのひとに愛してるとあたし

みんなはパラパラと音楽室をでて、後輩は先輩に挨拶をして帰った。


あたしは、戸締り係の後輩にお礼をいって、帰った。


帰り道、椋子ちゃんとぱったり会った。
たまたま、椋子ちゃんもあたしもひとりだったので、一緒に帰ることにした。

「椋子ちゃん、最近ど~よ?」

「んん~っ。ぼちぼちやな。
 最近はみんなとの温度差感じとるな。」

「あぁ!それわかるわ。
 あたしはこんだけ頑張ってんのに、みんなのんきすぎん!?
 とか怒りがわいてきたりさ」


「あぁ、そうそう。
 うちはこのバレー部強なりたい思って、一生懸命やっとんのに。
 なんでみんなそんなに冷めてるん?とか。」


「あと、あれもじゃない?
 ほら、部員の必殺技!」

「あぁ!『部長のくせに~』ね。」

「も~あたしあれが一番しんどい!
 部長のくせにって言うなら、お前が部長やらんかいっ!」

「も~ほんまそれ!
 反感買うのが嫌で注意できんとか。
 もぉ自分で自分が嫌や!」

「あたしも自己嫌悪の繰り返し。
 優しさと甘やかし、厳しさとキツイのとは正反対のことやのに、いまだに甘さが捨てられへん」


「あぁ~うんうん!
 注意とかしたら、部員みんなで悪口言われそうで怖いっちゅーねん!」
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