あのこあいつあのひとに愛してるとあたし
担任のヨウコが、本鈴と同時に教室へ来た。

担任のヨウコの話は水スタについてやった。
水スタとは水曜スタディーの略で、水曜の6時間目、成績が劣る生徒のために特別授業で勉強するというものや。
成績優秀な人は、教え役として参加も可能なんやけど…
あたしは部長やったし、部活に遅刻するのが嫌やったし、いつも参加してなかった。


「この間の数学のテストが20点以下やった人は必ず行かなきゃいけんよ。」


ヨウコの広島訛りと関西弁が混じったイントネーション。
その言葉を小耳に挟んで(あたしには関係ないな)って思ってた。
っても、米川からは成績が良いあたしに、教え役として来て欲しいってずっと言われてるんやけど。

MTがもう終わりそうなとき、1時間目は何やろって時間割りを見た。
1間目は英語だった。

うわっ…米川の授業やん。
ニヤけた米川の顔が思い浮かんだ。

そのとき、MT終了のチャイムが鳴って、教室の中の生徒たちがざわつきはじめた。

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