あのこあいつあのひとに愛してるとあたし

水スタ

ドキドキの中、1時間目始業のチャイムが鳴った。
あたしはゆうきにバイバイして、自分の席についた。


米川の授業。
この間提出したノートが返って来た。
ハンコが押してあるか確かめると、ハンコと一緒にコメントが書いてあるのを見つけた。

“稲本にはヤル気がある。ただ、暗い道に迷っている。今日は水曜スタディー。お前が「やろう!」の光になってくれないか?”


あたしはすぐさまノートを閉じた。
きもい!
稲本はゆうきの名字なのやけど、このコメントを見たとたん鳥肌がたった。
なんでこんなに粘っこくコメントすんねん!
あぁ…寒気が。

あたしがじとーっと米川を見ると、米川はニコリと笑ってあたしに言った。

「来るよな?水スタ。」

「寝言は寝て言って下さい」

「頭いいやんけ、おめーさん」

「そこは否定しんとく。」

「稲本のために来いよ。」

「あぁ、ゆうきも行くんか。そういや、数学赤点やったもんな」

「ま、お前が稲本見捨てるとは思わんけどな」

「はぁ!?見捨てるってどういうことやねん」

「ハイハイ、じゃ、放課後な」

ニヤニヤ笑って話す米川は、いつもの数倍きもちわるい。


むかつく…
むかつくむかつく…
あーっ!!

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