あのこあいつあのひとに愛してるとあたし
ゆうきは机にへばり付いた体をおこし、驚いてあたしをみた。
ゆうきは聞いた。

「え、なんで?」

なんで?って聞かれても、1人でおるのが寂しそうやったからやねんけどな。
小学生のとき遊んだきりのゆうきに、そんなこといっていいんか迷った。
けど、他に理由はなかったから言った。

「あたしがもし1人やったら寂しいから…。
ありがた迷惑かもしれんけどな~。」

ゆうきはスキマなく答えた。

「迷惑ちゃうよ!
 ……けど、やらへん。」

「なんでよ?」


「だってゆうアホやもん」

ゆうきは涙ぐんでいった。
寂しそうに見えたのは、気のせいやなかった。

「……ゆうき?」


「さっきの…数学の小テストが全然わからんかってん、とけへんかってん」


あたしは満点だった小テスト。
ゆうきは赤点だった小テスト。


教えられる自身はあった。
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