あのこあいつあのひとに愛してるとあたし

英語の授業が終わって10分休憩にはいると、ゆうきの友だちの椋子ちゃんがやってきた。
椋子ちゃんは女バレのキャプテンで、あたしは吹奏楽部のキャプテンやから、なにかと共感することとかも多い。


「ちょお、ゆうき~。
 どしたん?
 泣いとった?」


「あー…、花粉症…?」


「今花粉の時期ちゃうしっ!」


椋子ちゃんの鋭いツッコミにみんなの笑いがこぼれた。
ゆうきは泣いてた理由を知られたくなさそうやったけど、言うことにした。


「数学のテストができへんで悲しかってんて」


椋子ちゃんは驚き、ゆうきをだきしめた。

「もー!泣くなよ!
これからウチが教えるし、これからわかるようなったらいーやん!!」


「あたしも教えるし!
 頑張ろうよ。
 辛いのはゆうきだけやないし。」



「……うん」


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