あのこあいつあのひとに愛してるとあたし
そんな気持ちを共感しあえるのは、椋子ちゃんや。


椋子ちゃんは、ゆうきに
「頑張ろな」
って声をかけると自分の席に戻って、つぎの授業の準備をはじめた。



うつむいてしまっているゆうきに、あたしはアドバイスすることにした。


「数学って繋がってないねん。全部バラバラ。」


「…?」


「要は、1年のときにサボっとっても、2年の学習とはまた別やから、挽回できる可能性はあるってこと。」


「……ようわからん」


「1、2年の数学理解してへんくても、3年の数学を理解できる可能性はあるってこと!」


「それ…ほんまに?」


「うん。今はたぶん真っ白やろけど、今週から数学の提出物毎回やってみ。わからんかったら聞きにきーや!」


「………聞きにいってもええん?」


「うん。ええよ!」


「…よろしく
ありがとう。」



ゆうきはぶっきらぼうに挨拶した。
そんでもって、ボソッとお礼を言った。



「そいじゃ、まず最初の目標は次の小テストで5点アップすることやな!」



あたしは笑ってゆうきにそう言った。
そこでチャイムが鳴った。



次はヨウコの国語や。

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