テディベアはしゃべらない
「わかってるはずだ。お前は、一目でコイツが、お前に似てるって。だからお前は、本当は、自分のことがわかってもらえなくて、泣いたんだ」

「そんなこと」

涙を拭いて、笑みを作――

「いい加減にぎこちない仮面は外せ!!」

「!!」

――ろうとした私を、彼の声が叩きました。

「おっと……ととと?」

思わず腰の抜けた私を後ろから森山くんが支えますが……

それでも、私はその場にしゃがみ込んでしまいました。

「ぎこち……ない……?」

あの日、あの時、私を破壊した、あの子の言葉……。

それが、私のなにもかもを今、また、また破壊して……あ、ああ、あぁ、あああああああああ……!!

「だって、その、だって、私は、……私は、笑顔で……笑顔で――!!」

「笑顔で、なんだ? お前の笑顔で、周りになにが伝わるんだ? なにを伝えたいんだ?」

「っ、そ、れは……」

「お前は笑ってたんじゃない。笑顔だけ作って、その下で――そう、どんな顔でいるのか、気付いてもらいたかったんじゃないのか?」

「っ……」

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