テディベアはしゃべらない
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁん……!!」

ぷつりと、なにかが切れてしまったようでした。

それはきっと、私の顔にずっと被さっていたお面の紐で、『笑顔』のはがれてしまった私は、子供のように泣き喚くのを、我慢できませんでした。

私はあの時から、ずっと、そうだったんです。

笑顔の下で、自分がなにを考えているか、だれかに当ててほしかった。

子供がしようもない隠し事をわざとひけらかすように。

なのに、だれも私の仮面の下など見てくれず、私の仮面ばかりを見て――

私はまるで、だれにも理解されていない孤独な人間のように思えて――

私は――だから、あの子を求めていたんです。

「……言えば、よかったんだよ」

と、私の前にしゃがみ、壮馬くんが目線を合わせてきました。

「仮面の下にある顔なんて、そのままじゃだれもわかるわけがない。見えないそれは、自分で伝えるしかないんだ」

「……っ、ひ、ぅ、ぃ、くっ……」

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