テディベアはしゃべらない
「ねぇ、君、病んでるでしょ? よかったら今日の放課後、僕の」
「森山ぁぁあああ!!」
突然でした。
先生の怒鳴り声と、スリッパを踏み鳴らす音が、教室の窓ガラスをビリビリと震わせたんです。
ものすごい勢いで、スリッパを踏み鳴らす音が近づいてきます。
彼は「げぇっ」と顔をしかめ、「よりにもよって今日もかぁ」とぼやきました。
慌てた彼の手が、私の手を握ってきます。とても優しい手付きでした。
「それじゃあ今日の放課後、君を迎えに来るよ」
それは、舞踏会に? そう訊ね返したくなるような口調でした。
「森山ぁぁあああっ!!」
「おっとぅ、こりゃまずいまずい」
先生の怒鳴り声のする方向とは反対側へ、彼は逃げていきました。
窓から顔を出して見た時にはもう、その後ろ姿はなくて、幕を引くように、「も、森、山ぁ……!」と運動不足らしい先生が、駆けていったのでした。
「森山ぁぁあああ!!」
突然でした。
先生の怒鳴り声と、スリッパを踏み鳴らす音が、教室の窓ガラスをビリビリと震わせたんです。
ものすごい勢いで、スリッパを踏み鳴らす音が近づいてきます。
彼は「げぇっ」と顔をしかめ、「よりにもよって今日もかぁ」とぼやきました。
慌てた彼の手が、私の手を握ってきます。とても優しい手付きでした。
「それじゃあ今日の放課後、君を迎えに来るよ」
それは、舞踏会に? そう訊ね返したくなるような口調でした。
「森山ぁぁあああっ!!」
「おっとぅ、こりゃまずいまずい」
先生の怒鳴り声のする方向とは反対側へ、彼は逃げていきました。
窓から顔を出して見た時にはもう、その後ろ姿はなくて、幕を引くように、「も、森、山ぁ……!」と運動不足らしい先生が、駆けていったのでした。