【短編】運命の人


彼は少し困っていたけれど。

“お願いします!”と、何度も言うあたしに根負けしてしまったのか。



「それじゃあ、お言葉に甘えて」



また、爽やかな笑顔で受け入れてくれた。



「えーっと、俺、出勤途中だから、また日を改めて……ってことでいいかな?」

「あっ、もちろん。あたしもこれから大学に行くんで、そちらに合わせます!」

「じゃあ、連絡先を交換した方がいいね。携帯、持ってる?」



後日、日を改めて、と言うことになり、携帯の赤外線で連絡先を交換する。



「岡本……直樹……」



< 10 / 33 >

この作品をシェア

pagetop