【短編】運命の人


――それから……。





一度きりで終わってほしくない、というあたしの願いが通じたのか……。

あたしと直樹さんは、頻繁に連絡を取り合い、会うようになった。



スリのお礼をした時に、次に会う約束を申し出たのは、直樹さんの方で。



“迷惑かな?”

遠慮がちにそう言った直樹さん。



“全然、迷惑じゃないです!”

緊張と嬉しさから、あたしは首をブンブン振って、即答したんだ。


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