【短編】運命の人
そんなある日……
あたしは、直樹さんとの出会いが、意味のあるものだったんじゃないかと、思い始めるようになった。
その日はあたしの誕生日だった。
自分から誕生日を教えるなんて、まるでプレゼントをねだっているみたいで。
あたしは、自分の誕生日を申告するのをやめて、代わりに直樹さんの誕生日を訊いてみたんだ。
「え……っ? 直樹さんも……なの?」
「うん、そう。奈津ちゃんも?」
直樹さんが口にした自身の誕生日は、あたしと同じ。
直樹さんもあたしもビックリして、しばらく口をポカンと開けていた。