【短編】運命の人
出会ったときは、『きっかけ』に過ぎないと思っていたのに……。
誕生日が同じ二人が恋に落ちたという偶然に、あたしは運命的なものを感じた。
「なんだか、運命を感じるなぁ……」
ポツリと呟くあたしに、直樹さんは笑う。
「運命じゃなんかじゃないよ」
どうも直樹さんは、そういう非現実的なことには興味ないみたい。
「じゃあ、血液型は?」
「……A型」
「ほら、あたしと同じだし!」
でもあたしは、少しずつ出てくる共通点に、運命を感じずにはいられないんだ。