嫌いなアイツの10の命令
……は?
「なに、10個って!!言うこと聞くのは1つだけって約束でしょ!?」
立ち上がって大声を張り上げると、百合だけでなくクラス全員があたしを見た。
「うるせーな。勝負に勝った俺がおまえに1つ命令した内容が、『俺の命令を10個聞け』なんだよ。つべこべ言うな」
溜め息混じりに言い放つ涼雅が憎い。
「じゃあ、手始めに…ひとつ目の命令。」
涼雅の切れ長の目が、真っ直ぐにあたしをとらえた。
「千鶴。おまえ、今日から俺の彼女になれ。」
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