嫌いなアイツの10の命令
「うん、いいわね。このままならふたりともコンクールに出場できるんじゃない?」
「先生、それ本当!?」
顧問の先生の思いがけない言葉に、あたしと百合は舞い上がった。
「でも、そのためには毎日練習が必要よ」
「はい!毎日練習に来る!…ようにします」
あたしの歯切れの悪い言葉に、先生も少し困った顔をして、苦笑いをした。
それは、あたしのお母さんのことがあるから――。
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