嫌いなアイツの10の命令
新しい教室に入ると、黒板に席順の紙が張り出されていて、みんなそこに集まっていた。
「千鶴ー、あたしの席どこか見える?」
背の低い百合に代わって、こういうときのあたしは結構役に立つ。
「えっとねぇ…百合は、一番廊下側の後ろから3つめ!
あ、あたしは一番後ろの席だ!ラッキー!」
一番後ろでラッキーなんだけど……
「俺は千鶴の前だな」
…そう、コイツの存在がなければね!!
「涼雅、背高いから他の人と代わってよ!あたし黒板見えないじゃん!」
「どうせ勉強なんてしないからいいだろ」
「はぁ!?一応あんたより成績いいんですけど!!」
ギャーギャーと怒鳴りあっていると、教室に入って来た担任が一言…。
「おまえら、痴話ゲンカは外でやってくれないか?」
痴話ゲンカって…。
そんなんじゃないし!!
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