嫌いなアイツの10の命令



新しい教室に入ると、黒板に席順の紙が張り出されていて、みんなそこに集まっていた。



「千鶴ー、あたしの席どこか見える?」



背の低い百合に代わって、こういうときのあたしは結構役に立つ。



「えっとねぇ…百合は、一番廊下側の後ろから3つめ!
あ、あたしは一番後ろの席だ!ラッキー!」



一番後ろでラッキーなんだけど……



「俺は千鶴の前だな」



…そう、コイツの存在がなければね!!






「涼雅、背高いから他の人と代わってよ!あたし黒板見えないじゃん!」



「どうせ勉強なんてしないからいいだろ」



「はぁ!?一応あんたより成績いいんですけど!!」



ギャーギャーと怒鳴りあっていると、教室に入って来た担任が一言…。




「おまえら、痴話ゲンカは外でやってくれないか?」





痴話ゲンカって…。



そんなんじゃないし!!








.:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:.
< 7 / 34 >

この作品をシェア

pagetop