南京錠
「蓮さん、取り締まって来ましたっ。」




そんな声が聞こえて光のする方をみた。



「有難う。美幸が居て本当にいつも助かるよ。」



蓮だ。



「蓮さんのためですから。じゃぁ那奈さんによろしく言っておいて下さい。」



ニッコリ微笑んで彼女は出て言った。



シャッ――


一瞬光で目がくらむ。



「ぉっ。起きたかっ?」



蓮の手がヒンヤリして気持がいい。



「私…」



「ちょっと1日目はきつかったな。暫く経てば騒ぎはおさまるだろう。」



どうやら、貧血で倒れたらしい。私はどうしても人が多いと気分が悪くなってしまう。



「そういえば美幸ちゃん来てたねっ」


私はにやけながら、蓮の顔を見た。


その視線にきずいたのか、蓮は慌てた様子で否定した。



「別に何でもねぇょ!ただ人が集まってこねぇ様に美幸なら、なんとか出来るだろうし…」



「ぁりがとう。」


私は笑いながら必死になる蓮の顔を見ていた。



でも、少し哀しそうな顔をしたのは全然気ずかなかったんだ…



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