南京錠
「ちょっとお腹痛くて、大丈夫っ。」



私は急いで車を降りた。


目からは、滴が、ポロポロと流れて止まらなかった。






まぁくんと、初めて会ったのは、まだ寒い季節。
私と蓮が、学校が終わって、いつもの路を帰っていると、突然、まぁくんは現れた。




蓮いわく、どう見ても、怪しくて、胡散臭いセールスマン風の佐古田を信じようなんてこれっぽっちもなかったらしい。







でも私は思った。






やっと迎えに来てくれた。



私の王子様だって。




何故かそう思ったんだ。





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