南京錠
「蓮!?期末の範囲どこまでだっけ?」



私は泣きそうな顔で蓮を呼び止めた。



「那奈…遅いよ。」



蓮は苦笑いで私を見る。



「だよね…はぁ〜卒業できなかったらどうしょ…蓮は何で勉強できるのかなぁ?」



私は膨れながら、蓮をつっついた。



「那奈より誠が心配だけどなぁ〜」



指を指す先には、漫画を読みながらケラケラ笑う、緊張感の無い誠が居た。




「ぅ〜…」




私は、相澤那奈。
高校3年生。
蓮と誠は、私の幼馴染み。





私達三人は、
『Black tears』
として歌手デビューして2年。流れに身を任せて来たものの、学校に毎日行けない程、忙しい毎日を過ごしている。
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