片想いはイヤ!
薄っすらと目を開けた。
それに気付いたのか
誰かが顔を近づけたのが
よく分かった。
眩しい光が
あたしに差し込んだ。
この髪型は・・・・。
横で心配そうに
顔を覗き込んでいたのは
やっぱりかずちゃんだった。
わざわざフェンスを越えて
隣に来てくれていたようだ。
「・・・・・か、かずちゃん?」
息と一緒にこぼれた
微かな声。
薄っすらと開けた目・・・。
「琴!!大丈夫か?
保健室に行くか?」
急に必死に
問いただしてくる。
かずちゃんにだけは
心配はかけたくなかった。
練習に専念してもらいたい
その一心だったから。
「だ、大丈・・・・」
でも言葉が切れた。