片想いはイヤ!



フェンス越しに見える
新しい彼女の睨んだ顔。



それは
あたしに向けられたもの。



取らないでよ!!


私の恋人を!!



その両目は
さっきのあたしと一緒だ。



かずちゃん
取られたくなかったもん。



「・・・ちょっと
頭クラクラする。」


「やっぱ保健室だな。」



かずちゃんは
あたしを軽々とおんぶして
運ぼうとしてくれた。


兄妹みたいな関係でも
周りはキャーキャーと
騒がしかった。



(ごめんね。
でも好きなんだもん。)



どうしても
想いは止められないの。



覚えてなくても構わない。



『琴を守るよ』って
言ってくれたのは
あのかずちゃんだもん。


あたしの王子は
かずちゃんだって
心の底から信じてるもん!!


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