片想いはイヤ!



目が覚めた頃には
もう下校時間。



「琴、目が覚めたか?」


「う、うん。」



横にいたのは
まだユニフォーム姿の
かずちゃんだった。



「あ、あのね、
ずっと待ってくれたの?」


「そ、そんなことは
気にしなくていいから。」



軽く身支度をして、
あたしの鞄とかも全部
用意してくれていた。



「でもサッカーは?
キャプテンなのに・・・。」


「そんなのあと。
琴の方が大事だろ?
昔からそうだったろ?」


「・・・かずちゃん。」



またそんな優しい言葉。



だからたくさんの女の子が
勘違いしちゃうんだよ。


・・・あたしも。


また、
勘違いしちゃうよ?


あたし、
期待しちゃっていいの?


< 21 / 59 >

この作品をシェア

pagetop