片想いはイヤ!
「・・・帰るか、
そろそろ時間だし。」
念押しするかのように
笑うかずちゃん。
仲良しの2人を見て
保健の先生が微笑んでいた。
そして保健室をあとにした。
星が全く見えない空の下。
電灯だけが
道を照らしてくれている。
2人はゆっくりと
その道を歩いていく。
「かずちゃん、
今日はありがとう。」
「そんなこといいよ。」
そして
単刀直入に聞いた。
「あの、かずちゃん、
彼女さんのどこが好きなの?」
今まではそんな事
一切聞いたことなかったのに
なぜか口は開いていた。
「・・・そうだなぁ、
笑顔かなぁ。」
心の中で明日から
毎日鏡の前で
笑顔の練習をしようと誓った。