片想いはイヤ!



早歩きで
なんとか学校に間に合った。



ちょっと息切れしてるけど。


そして教室に向かった。


席に着いて下敷きで
首元を仰ぎまくっていた。



後ろから、
つんつんと突付いて来る。



振り返ると友人の
川中 亜貴〈カワナカ アキ〉が
突付いていた。



「おはよ。」


「おはよ〜。」


「朝から元気だね。」


「・・・そんなことない。」


「また何かあったんだ。
・・・山本先輩のことで・・・。」



ニヤニヤしながら
顔を覗き込んでくる。


図星だ。

・・・・ばれてる。



「バレバレ。
だって怒ってるときは絶対に
山本先輩のことだもんね。」


「・・・だって。」



またふてくされていた。


まぁ、そう言いながらも
いつも愚痴を
聞いてもらっているのだ。


そして、
亜貴にはちゃんと報告している。


これは中学時代からの
あたしの日課だった。



「はあ、またその問題ね。」


「だって。あたしのこと
どう思ってるんだろ。」



思わず呟く。


そして、机に突っ伏した。

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