片想いはイヤ!



そんなある日、
かずちゃんが話してくれたんだ。



嬉しくて、嬉しくて
今まで我慢していた涙が
溢れ返った。


わんわんと
泣き叫んでしまったんだ。


その時のかずちゃんは
あたしの涙にすごく
焦っているようだった。



それからよく遊ぶようになって
かずちゃんの後ろばかり
追いかけてた。



毎日が楽しくて楽しくて
仕方なかったんだ。




でも、ある日の事だった。



父の日というのがあって、
お父さんの似顔絵を描こうって
先生が言ったんだ。



描けるわけなかった。


だって、お母さんがまた、
たくさんの涙を流すから。



だから、配られた白い画用紙を
真っ二つに破ったんだ。



そして飛び出した。



向かったのはブランコだった。



先生が連れ戻しに来たけど
戻らなかった。



戻りたくなかった。



同じクラスの子も
楽しそうに様子を見に来ていた。



皆、野次馬だ。


大嫌いだ。


< 7 / 59 >

この作品をシェア

pagetop