片想いはイヤ!
「それって
先輩は覚えてるのかな?」
亜貴がさらに
痛いとこを突いてくる。
「・・・・た、多分。」
答える声はどんどん
小さくなっていく一方だった。
「よし、
じゃあ本人に聞こうね!」
そう言って、
鈴子は前扉に向かって行った。
「へ?どういうこと??」
悪い予感がする。
そのまま追いかけた。
ドアを出ると
かずちゃんがいた。
「山本先輩、琴乃に
約束したこと覚えてますか?」
鈴子は
勝手に質問を始めていた。
「!!!!!!」
焦って冷や汗が
滴り落ちてくる。
「か、かずちゃん、なんか用?」
「・・・ああ。これ。」
渡されたのが
オレンジの袋に包まれた
お弁当だった。
「そ、そっか。
ありがとね。」
そう言って、
すぐに帰らせようとした。