お嬢様重奏曲!R
「葵お嬢様。紅茶とお茶菓子をご用意いたしました」
「あ、はい。すみません、志乃さん」
葵が慌ててドアを開ける。すると先程のメイドが恭しくお辞儀をして部屋の中に入ってきた。
「そう言えば御言さんに紹介がまだでしたね? 彼女は私の専属メイドで、メイド長をしてもらってる藤堂志乃さんです。志乃さんがいれてくれる紅茶はとっても美味しいんですよ」
「お褒めにいただきありがとうございます。葵お嬢様」
御言に負けず劣らずの無愛想で志乃は、頭を下げた。
「それに志乃さんはこう見えて私に負けないくらい可愛い物が大好きなんです。志乃さんの部屋はぬいぐるみさんで埋め尽くしている感じで」
とても初見ではそう見えないのだが、長い付き合いの葵が言うのだから間違い無いだろう。
「葵お嬢様。照れてしまうのでお止めください」
一応照れてはいるようだが、やはり表情からは読み取れなかった。
「それと葵お嬢様。お勉強中、大変申し訳無いのですが」
すぐに仕事モードに入り声色も若干だが、変わったように聞こえた。
「何ですか?」
「はい。先程渚お嬢様がお戻りになられまして、なんでも葵お嬢様にお話があるそうなのです。私も御言様がいらっしゃる旨をお伝えしたのですが、それでもとおっしゃられまして」
「渚が、私にですか?」
「はい。いかがなされましょうか」
「話の腰を折るようで悪いのだが、葵君。その渚とは誰かね?」
「私の妹です。私の二つ下でして」
「…ふむ。なるほど。妹がいたのか」
考える仕種を見せる御言に、葵が申し訳なさそうに声をかけた。
「あの…御言さん。申し訳無いのですが」
「妹のところへ行くのだろう? 俺の事なら構わないさ」
「そうですか。それじゃすみません。すぐ戻ってきますので」
それだけ言い残し、葵は志乃を連れて部屋を後にし、御言一人が部屋に残った。
「あ、はい。すみません、志乃さん」
葵が慌ててドアを開ける。すると先程のメイドが恭しくお辞儀をして部屋の中に入ってきた。
「そう言えば御言さんに紹介がまだでしたね? 彼女は私の専属メイドで、メイド長をしてもらってる藤堂志乃さんです。志乃さんがいれてくれる紅茶はとっても美味しいんですよ」
「お褒めにいただきありがとうございます。葵お嬢様」
御言に負けず劣らずの無愛想で志乃は、頭を下げた。
「それに志乃さんはこう見えて私に負けないくらい可愛い物が大好きなんです。志乃さんの部屋はぬいぐるみさんで埋め尽くしている感じで」
とても初見ではそう見えないのだが、長い付き合いの葵が言うのだから間違い無いだろう。
「葵お嬢様。照れてしまうのでお止めください」
一応照れてはいるようだが、やはり表情からは読み取れなかった。
「それと葵お嬢様。お勉強中、大変申し訳無いのですが」
すぐに仕事モードに入り声色も若干だが、変わったように聞こえた。
「何ですか?」
「はい。先程渚お嬢様がお戻りになられまして、なんでも葵お嬢様にお話があるそうなのです。私も御言様がいらっしゃる旨をお伝えしたのですが、それでもとおっしゃられまして」
「渚が、私にですか?」
「はい。いかがなされましょうか」
「話の腰を折るようで悪いのだが、葵君。その渚とは誰かね?」
「私の妹です。私の二つ下でして」
「…ふむ。なるほど。妹がいたのか」
考える仕種を見せる御言に、葵が申し訳なさそうに声をかけた。
「あの…御言さん。申し訳無いのですが」
「妹のところへ行くのだろう? 俺の事なら構わないさ」
「そうですか。それじゃすみません。すぐ戻ってきますので」
それだけ言い残し、葵は志乃を連れて部屋を後にし、御言一人が部屋に残った。